*親愛なる君へ(マボさんの台本です)
(すみれ、真未、雄飛、耕祐、衿菜、謎の神、ママ(笑))35〜45分

     ある朝の通学路    
     雄飛が一人で歩いてくる     
     後ろから、すみれ、真未、衿菜がくる
すみれ あ、雄飛だ。雄飛!おはよー!
真未  おはよう。
雄飛  ああ、おはよ。     
     雄飛、いこうとする。
衿菜  ゆ、雄飛くん。
雄飛  ん?
衿菜  お、おはよう。
雄飛  ?うん。     
     耕祐が走ってくる
耕祐  お〜っす!おっは〜!
す・真 あ、耕祐、おっは〜!
衿菜  耕祐君、おはよう。
耕祐  おお!衿菜。おっは〜、雄飛くんおっは〜。
雄飛  うるさいんだよ、おまえは朝から。
耕祐  おお?ゴキゲン斜め?うわっ、ねむそ〜。夜遊びはほどほどにしろよぉ〜。
すみれ なに?雄飛夜遊びしてるの?
雄飛  あほか!勉強してただけだよ。
すみれ え〜、雄飛えら〜い。受験勉強?
真未  え?もう?この前高校受験終わったばっかりなのに。
すみれ 頭がいい人は違うね〜。
雄飛  うるさいよおまえ。
耕祐  おまえ、なに志望だっけ。医者?科学者?宇宙飛行士!?
雄飛  なんだよお前まで。
耕祐  あ、怒った?怒った?悪い!許して雄飛くん!
雄飛  ゆるさん。
耕祐  え〜そんなぁ。
真未  (笑いながら)そーゆー耕祐はなにになりたいの?
耕祐  え、俺ぇ?なんだろ。まだ決めてない。なんで?
真未  え?う、ううん。別に。す、すみれは看護婦だよね。
すみれ うん。そうよ。やっぱり憧れだよねー。
雄飛  できんのか?おまえに。
耕祐  患者になりたくね〜。
すみれ なによ!もう!
雄飛  おまえ小学校のころから言ってるよな。
すみれ 悪い?
耕祐  え?そうなの?
雄飛  そうだよ。な、衿菜。
衿菜  うん。看護婦は、すみれの昔からの夢。
真未  さすが幼馴染3人組ね。
耕祐  中学からの俺達には入り込む隙が…俺は悲しい!
雄飛  おまえ、あほか。
すみれ あ、そういえば、衿菜。
衿菜  え?
真未  あー!
耕祐  なんだよ!
真未  遅刻だ〜!
五人  うそ。     
     五人真未の時計を覗きこむ
五人  うっそぉ!     
     走り出す。そして去る。     
     学校のベル     
     ほうきで遊ぶ耕祐、それをわざと無視している雄飛     
     ごみ箱を持って出てくる真未
真未  遊ぶな〜!掃除しろ!すみれたちは?
耕祐  廊下でゲロゲロ。
真未  は?ゲロゲロ?
耕祐  ゲロゲロ。
真未  (雄飛に)なに?
雄飛  さあ…耕祐なにいってんだ?
耕祐  あ、だから、廊下をはいてる。
雄飛  馬鹿…
真未  最初からそういってよ!
耕祐  あ〜ごめんなさ〜い!
     と逃げようとする
真未  逃げるな!掃除をしろ!
耕祐  あ〜、雄飛助けてー
雄飛  しらん。
     すみれ、衿菜戻ってくる
衿菜  なにやってるの?
すみれ また耕祐が馬鹿なことやったんでしょ。
耕祐  ピンポ〜ン!
真未  耕祐!
耕祐  きゃ〜
すみれ 早く掃除終わらせて帰ろうよ。
     耕祐聞いちゃいねえ。
衿菜  こ、耕祐君!
耕祐  はい!
雄飛  おまえなんなんだ?
真未  ばっかじゃないの!
すみれ わかりやすいなあ…耕祐は…
雄飛  はい…?  
     とかなんとかいいながら机を運んでいく。
すみれ これで終わり。
耕祐  衿菜〜。
衿菜  なあに?
耕祐  今一番欲しいものってなに?
衿菜  え?
真未  え?って、衿菜明日誕生日じゃない。
すみれ あ、そうだ!
衿菜  誕生日…明日…
真未  あれ、衿菜もしかして自分の誕生日忘れてた?私なら絶対忘れないけどな。
すみれ 私も!だって、
す・真 皆からプレゼントもらえるもんね〜。
雄飛  衿菜はおまえらとは違うんだろ。
耕祐  そうそう、おまえらみたいに欲の皮突っ張ってないから。
真未  なによぉ。
すみれ ひどぉい。
耕祐  で?衿菜なに欲しい?
衿菜  私…
真未  なになに?
衿菜  私…皆と一緒にいるだけでいい。物なんて、いらないよ…
真未  そんなの当たり前じゃん!明日も明後日も、
すみれ そうだよ、ずっと一緒だって。
衿菜  ずっと…一緒?
雄飛  どうしたのおまえ。最近おかしいぞ。元気ないし。病気か?
耕祐  なんかあった?なんかあったらいえよ。俺、いや、俺たちにさ。
衿菜  うん…ありがとう。
耕祐  い、いやァ…(照れて)欲しいもの、ないのか、そっかあ…どうする?真未。
真未  一応、いってみようよ。いいものあるかも。
雄飛  おまえらなに言ってんだ?
耕祐  あ。いや、なんでもない、こっちの話こっちの話。
真未  じゃあ、わたしたち、ちょっと寄るとこあるからさきかえるわ。
すみれ あ、そう?じゃあね。
雄飛  あしたな。
耕祐  おお!
真未  ばいば〜い。
衿菜  あ!
耕・真 ん?
衿菜  …ううん。なんでもない!バイバイ。耕祐君、真未ちゃん。
真未  ばいばい。
耕祐  また明日な!
     真未、耕祐去る
     雄飛、帰り支度
すみれ そういえばさ、衿菜、朝聞きかけたことなんだけど、
衿菜  え?
すみれ 衿菜って、将来の夢、なに?私聞いたことなかった。
衿菜  私の夢?すみれ そう、雄飛も聞いたことないでしょ?
雄飛  うん。
衿菜  …私は、皆と同じになりたい…
すみれ え?
衿菜  皆と一緒に、幸せに、楽しく生きていたい…
すみれ (解釈がなんかちがう)うん。そうね。私も、それがいいな!ねえ、雄飛、
雄飛  幸せに、ね。
すみれ そう、幸せに、好きな人と結婚して、子供産んで
雄飛  (しらけてる)俺、帰るわ。
すみれ え?あ、ちょっと雄飛?
衿菜  あ!雄飛くん!まって、
     雄飛去る
すみれ なによ、雄飛。
衿菜  私…雄飛くんに嫌われてるのかな?
すみれ え?
衿菜  私、いやがられてるのかな。
すみれ そんな事ないよ。だって、さっき衿菜のこと心配してたじゃん。どうしたの?衿
   菜本当に変だよ。具合でも悪いの?
衿菜  ううん!大丈夫。気にしないで!ちょっといってみただけだから。
すみれ ほんとに?
衿菜  うん!あ、ほらすみれ、早く行かないと雄飛くん…
すみれ あ、そうだった!衿菜いこう!
衿菜  あ、私は…ちょっとまだ用事があるから…
すみれ そう?じゃあ、またあしたね!ばいばい
衿菜  バイバイ。
     すみれさる
衿菜  また明日…か…ごめんね、皆…
     衿菜、寂しそうに机に座って机に突っ伏す
     そのまま暗転
     朝の教室
     衿菜の机がない
     真未がいる
     すみれがくる
すみれ おはよー、真未。
真未  あ、おはよう。
すみれ あれ?まだ皆来てないの?
真未  耕祐だったらまた遅刻じゃない?
すみれ 衿菜は?
真未  衿菜?
すみれ なんだ、まだ来てないのか〜。ね、真未、私も昨日の帰りに衿菜にプレゼント買
   ったんだ〜。
     雄飛がくる
真未  誰の誕生日って?
すみれ やだなー、衿菜だよ衿菜。私真未が言ってくれなかったら忘れてたんだよね〜。
   危なかったぁ〜。
真未  ちょ、ちょっと待って?すみれ、なに言ってるの?
すみれ へ?
真未  エリナって誰?
雄飛  は?
すみれ 真未なにふざけてんの?衿菜だよ衿菜!私達いつも五人で
真未  四人よ。
雄・す え?
真未  いつもわたしたち四人だったじゃない。
すみれ ええ?だって
3人  すみれと真未と雄飛と耕祐と
す・雄 衿菜。
真未  そんな子知らない。
すみれ そんな…だって、
真未  どうしちゃったの2人とも?
雄飛  それはこっちが、聞きたいんだけど。
      耕祐くる
耕祐  よいこの皆!耕祐君だよ〜!元気かな?おっは〜!
雄飛  耕祐…
耕祐  え?俺、なんかまずいことした?
すみれ 衿菜!
耕祐  へ?
すみれ 真未が衿菜のこと忘れちゃったの!
耕祐  エ…エリナ?
雄飛  そう、衿菜。
耕祐  えーっと…誰だっけ?
雄飛  おまえまで…本当に分からないのか?
耕祐  それ俺のあったことある子?
雄飛  耕祐…(と衿菜の席が会ったところへ手をつこうとして席がないのでこける)
すみれ 雄飛!
真未  どうしたの?
耕祐  おい、大丈夫かよ、なにやってんだお前。
雄飛  いって…(気づいて)おい、すみれ、ここ、衿菜の席、
すみれ …ない…ないよ、衿菜の席がない!
真未  すみれも雄飛もどうしちゃったの?
すみれ だってここは…
耕祐  空席…だよな。さいしょっから。
すみれ ちがうよ!ここは、
雄飛  確かに昨日まで一緒にいた、ここで、この席に座って、俺達と一緒に笑ってた…
真未  夢でも見たんじゃない?
すみれ ちがう!
耕祐  …俺、俺もそんな気がする。
真未  え?
耕祐  俺達の中には、もう一人誰かいたって気が…する。
雄飛  そうだよ。俺達は五人なんだ。
     雄飛、学級の本棚に行って名簿を見る
すみれ あれ?耕祐、それなあに?
耕祐  え?
すみれ その、手に持ってる箱。
耕祐  これは…なんだろう…
真未  私にプレゼント?
耕祐  違う。
真未  …
雄飛  違う…のか?
耕祐  え?俺、今ちがうっていった?でも…プレゼントだ。昨日、買って…誰に?
すみれ 衿菜よ!今日は衿菜の誕生日だもの!
耕祐  ?エリナって…
真未  やめてよ!
すみれ 真未…?
真未  耕祐しっかりして。
耕祐  あ、衿菜…衿菜は?俺今日これ衿菜に渡そうと思って…
真未  耕祐…
すみれ 思い出したの?
耕祐  なにいってんだよ!俺が衿菜を忘れるわけないじゃん!おまえらだってそうだ
   ろ?真未だって、なあ?
真未  わかんない!わかんないよ!みんななにいってるの?衿菜って誰?
耕祐  真未…
真未  みんなおかしいよ!
     走り去る真未
すみれ 真未!
耕祐  どうしたんだ?あいつ。
雄飛  みんなが衿菜のことを忘れてる。衿菜の机もない。みろ、名簿にも載ってない。
耕・す どういうこと?
雄飛  俺にだってわかんないよ。
すみれ そういえば、私衿菜のこと…なんにも知らない…
雄飛  話してもらったこと、ないからな…
耕祐  え?でも、衿菜はおまえのことも、すみれのことも、よく知ってるじゃん。
雄飛  俺達が話すのを聞いててくれるんだ。いつも。だけど、
すみれ じぶんから、話してくれたことは、あんまりなかった。
耕祐  そうなのか?
雄飛  本当は、俺達のことあんまり好きじゃなかったのかもな。
すみれ え?
耕祐  そんな事あるかい!俺はいつもうらやましかったぞ!おまえらと衿菜がすっげー
   仲良くて、うらやましかったんだから!だから、そんな事いうなよ…
すみれ そうだよ!そうだよ…雄飛…
雄飛  うん。だよな、ごめん、耕祐。
     始業のベル
耕祐  あ、授業だ…
すみれ 真未、帰ってこないね…
雄飛  授業なんか…する気分じゃないのにな。
すみれ 先生に聞いて…あ、だめか…。
耕祐  明日になったら、元通りになってるかもよ、ほら、よくあるじゃん。そういう変
   な話。
雄飛  本のなかではな。
耕祐  じゃあ、どうするんだよ。
雄飛  だけど…俺もそれにかける。
すみれ 私も。
雄飛  明日になったら
耕祐  明日になったら
すみれ 明日になったら
3人  すべて元通り。
     大きくなるベル
     なにやら先生が来た様子
     がたがたと席につく
     きりーつ、きをつけー、れー。
     授業を受ける様子
     フラッシュのように照明をたいて時間の経過をあらわす
     放課後
すみれ 真未、とうとう帰ってこなかったわね…
耕祐  どこ行ったんだか。
雄飛  きょうは、皆なんかおかしいんだ。明日になったら、
耕祐  けろっとして、おはよ〜なんて・・
雄飛  …帰ろうか。
すみれ うん…
耕祐  へんな一日だったな…
雄飛  あぁ。
すみれ でも!明日になれば、
3人  全部元通り!じゃあな!
     3人なにかを振りきるように走って帰っていく
     ゆっくり暗くなる
     スポットで謎の神現れる
     ちょっと何かを考えている様子
     がたがたと机を持ち出す。
     衿菜の席に戻す。
     満足そうに去っていく。
     明るくなる
     すみれ、雄飛、耕祐がくる
3人  きょうはもう、元通り。…よし。
耕祐  おっはー!
すみれ おはよー!
雄飛  おはよう。
     自分の机へ
耕祐  よし、いっせーのせで向くぞ。
2人  (うなずく)
耕祐  いっせーのーせ!だからな。
雄飛  なんだよ。わかってるよ。
すみれ 耕祐早く!
耕祐  …じゃあいくぞ、いっせ〜の〜ぺ!
     雄飛、すみれ、こける
雄飛  なんなんだ、おまえは。
耕祐  じゃあ、雄飛が言ってくれよ…やっぱり…俺…
雄飛  あるよ、あるに決まってんだろ?
すみれ そうよ。
耕祐  そうだよな…うん。
雄飛  じゃ、いくぞ。
3人  いっせーのーせっ!(向く)
     衿菜の席、戻ってる。
3人  あったぁ〜。
耕祐  賭けは俺達の勝ちだ!
雄飛  誰と勝負してんだよ。
すみれ やっぱりね。それじゃあ、衿菜も、
     真未くる
真未  おはよう!
すみれ 真未!きょうはなんともない?
真未  なんとも…ってなにが?
耕祐  あ、馬鹿、なんでも、ねえよ。
雄飛  衿菜は?
真未  ?
3人  え?
真未  まだ見てない。
3人  ほー。
     なにかがくる
雄飛  なんだ?
すみれ え?
耕祐  ん?
     なにかが四人の前に(客席に後ろ向けて)
謎   おはよう、雄飛くん、耕祐君、すみれ、真未ちゃん。
3人  へ?
真未  あ、おはよー衿菜。
3人  へぇ?
耕祐  おまえ、今、なんていった?
真未  あ、おはよー。
雄飛  そのあと。
真未  ?衿菜?
3人  え〜〜?
     なにか、客席の方を向く
     謎の神である。
3人  何コレ!
謎   わしはエリナじゃ。
耕祐  ねえ、こんなオチなの?この話?こんな終わり方でいいの?コント?コント?俺
   達の学校生活ってコント?
雄飛  耕祐、落ち着け。
耕祐  落ち着けったって…
すみれ 真未何いってるの?
雄飛  そうだ、こんなばあさんが衿菜のわけないだろう。
耕祐  そうだよ!俺こんなばあさんに興味ねえよ!あ…
雄飛  どういうことだよそれ。
すみれ こんな時にそういうこといってんじゃない。
耕祐  ゴ、ごめん…って、なんで俺が謝るんだよ!
真未  皆どうしたの?衿菜のこと忘れちゃったの?
耕祐  忘れてるのはおまえだろーが。
真未  しかもばあさんはないでしょ、ばあさんは。同い年よ?
雄飛  そういう問題か?
謎   人とは単純な生き物じゃの。
耕祐  い、いま、生き物じゃのっていったぞ。いいか、真未。よく考えてみろ。衿菜が
   そんなしゃべり方するか?
真未  なにいってんの?衿菜のチャームポイントはちょっと年よりくさいしゃべり方と
   外見でしょ。
すみれ そんなチャームポイントいや!
耕祐  って言うか、見たまんまじゃん。
雄飛  っていうか、それってチャームポイントか?
謎   衿菜はわしじゃ。まあ落ち着きなされ。
3人  あんたのせいだよ!
真未  もう、皆どうしちゃったの?
雄飛  それはこっちが聞きたいよ…
耕祐  結局、今日になっても
雄飛  なんにも変わってなかった、な。
すみれ もっとややこしくなってたり…
耕祐  賭けは、俺達の負けかァ…
3人  どうなってんだぁ?
     始業のベル
     一瞬暗転。
     ベルがなりおわる前にまた明るくなる
     授業が終わったってとこで。
耕祐  で、どうすんだよ。
     こっそり去っていく謎の神
雄飛  どうするったって…とにかくあのばあさんが何か知ってるはずだ。
耕祐  よし、ばあさん確保!(と向くがいない)あ、あれ?
すみれ あ、いなくなってる!にげられた?
真未  みんなどうしたの?衿菜戻ってきたのに。
すみれ 本当に…忘れちゃったんだね、真未。(かなしい)ごめん、私先かえる。
     悲しさに任せてすみれ去る
真未  ねえ、どうしたのよ!すみれ!
     追って去る
耕祐  こんなのってありかよ…
雄飛  耕祐…
耕祐  これ…もう渡せないのかな…(プレゼント)
雄飛  衿菜、何所いったんだろうな。
耕祐  俺達、どうなるんだろうな。
雄飛  これも夢だと、
耕祐  そうだといいけど、あ〜!もうわけわかめ!
雄飛  …帰ろうか。
耕祐  うん。
雄飛  ばあさんどこいったんだ?
     と2人去る
     謎の神出てくる
耕祐  あ!わすれもん。(衿菜の机の上にプレゼントを忘れている)        
     耕祐戻ってくる
     謎の神と鉢合わせ
     謎の神マッチョマンになる
耕祐  なんだ、マッチョマンか。(とプレゼントを回収して去る)
     謎の神、ほっと一息
雄飛  (声)どうした?
耕祐  (声)いや、ただマッチョマンがいただけ。
雄飛  (声)ふーん。
2人  (声)ってなんでだよ!
     二人、戻ってくる
     2人と謎の神鉢合わせ
     今度は埴輪。
2人  なんだ、埴輪か。
     二人去りかける
         謎の神、ほっと一息
2人  そんなわけないだろ!
     謎の神慌てて埴輪
雄飛  ばればれ。
     謎の神、慌ててマッチョマン。
雄飛  変えてもだめ。
     謎の神、にこーっとわらって猛然とダッシュで去る
雄飛  あ!ちょっと!まて!耕祐、すみれに電話しろ。俺はばあさんを捕まえる。
耕祐  わかった!(電話だして)ぴっぽっぱっと。あ、留守電…あ、耕祐。ばあさんが
   いた。俺の携帯に連絡待ってる。よし。雄飛!今行くぞ!
     と去る
     戻ってくる耕助と雄飛ととっつかまった謎の神
雄飛  すみれなんだって?
耕祐  留守電だったからメッセージ入れといた。俺の携帯に連絡してって。
雄飛  そう、さて…あんた、なに?
謎   なにとは失礼な。わしは衿菜、
耕祐  それはもういいっつーの。
雄飛  そのまえに、人間か?
謎   失礼な!
耕祐  そうだぞ、雄飛、見た目で判断するな。人間の顔じゃねえよ。
雄飛  耕祐?人間は顔じゃない、だろ?おまえのほうが失礼だ。
謎   どっちも失礼じゃわい!
雄飛  で、なに?
耕祐  うわ!
雄飛  どうした!
耕祐  ブルブルきたぁ〜。
雄飛  まぎらわしいな、なんでバイブにしてんだよ。
耕祐  はいはい、みんなの耕祐君で〜す!
雄飛  緊張感ないな、おまえ、ゼロだな。
耕祐  (雄飛に)それが俺の素敵な所さ!(電話に)え?あ、いや、なんでもない。う
   ん。教室。うん、わかった。じゃあね。
雄飛  なんだって?
耕祐  すぐくるって。真未もいっしょだって。
雄飛  そう。
     すみれ、真未くる。
すみれ あ〜!おばあさん!
雄飛  はやすぎだよおまえ…
耕祐  うん。
真未  ねえ、一体何するの?
耕祐  聞くんだよ。こいつに。
真未  衿菜になにを聞くの?
すみれ あ、そうだ。そのまえに、真未を元に戻して、
謎   いやじゃ。
雄飛  なんで。
謎   嫌なものは嫌じゃ。
雄飛  小学生か…
すみれ (にっこりと)もどしなさい。
謎   戻すじゃ。
耕祐  はやっ!
謎   そおれ。
真未  ?
謎   ありゃ?そおれ!
真未  衿菜、何してるの?
雄飛  おい。
すみれ 戻らないじゃない!
謎   コレはわしのせいではないのじゃ。
耕祐  あんたの力不足だろぉが。
謎   そうでもないのじゃ。
すみれ じゃあなによ。
謎   この娘が思い出したくないと思っておる。だからわしには戻すことはできぬのじ
   ゃ。
すみれ ?真未が衿菜のことを忘れたいって思ってる?
耕祐  なんだよそれ!
雄飛  そんな…馬鹿な。
謎   馬鹿なといわれても本当のことじゃ。
真未  ねえ、なんなの?
雄飛  全部説明してくれ。
謎   そういわれて素直に話すわけにはいかんのじゃ。
すみれ 話したらおかしあげる。
雄飛  す、すみれ?そんなんで…
謎   いいじゃろう。
雄飛  へ?い、いいの?
謎   話せばながい事ながら
耕祐  長いのはやだから短くしてよ。
謎   わがままじゃのう。何から話すとするかのう。
雄飛  まず、あんたはなに。
謎   わしは…ぐ〜〜
耕祐  寝るな!(はたく)
謎   あ、今の衝撃で、全部忘れたわい。
すみれ だったら…また思い出させてあげるわよ!(イスを持ち上げる)
謎   あ〜!おもいだしたわい!
真未  ちょっと!さっきからなんの話してるの?皆変よ!私、帰る。
     と去る。でも、実は端から覗いてる
すみれ あ、真未!
謎   わしはな、消しゴムじゃ。
3人  は?
謎   消しゴムはなんのためにある?
耕祐  なにいってんだ?
謎   (迫力)なんのためじゃ?
耕祐  (おされて)け、消すため…
謎   そうじゃ。わしは消すために来たのじゃ。
雄飛  消す?なにを。
謎   それは…おしえてやらんわ〜い!(と逃げようとする)
すみれ (つかまえる)にげないでよ!
謎   あ、お菓子くれなのじゃ。
すみれ 全部話したらあげるわ。
謎   (ふくれる)
雄飛  ふくれるな。
耕祐  ふくれてもかわいくない!むしろふくれた水死体みたいだ!
謎   ありがとう。
耕祐  誉めてないし。
雄飛  で、何を消すんだって。
謎   記憶じゃよ。おまえさん達の記憶じゃ。
すみれ 私達の…記憶?
謎   そうじゃ。エリナに関するすべての記憶、エリナの存在を人間界から、抹消する
   ためじゃ。
雄飛  どうしてそんな事を?第一、俺達の記憶は消えてなくなりはしなかった。それと
   耕祐は思い出したのになぜ真未は思い出さない。
謎   さっきも言ったじゃろう。それはおまえさん達の中に原因があるのじゃ。
雄飛  俺達の?
謎   おまえ達がエリナを思う気持ちがわしの力を破ったのじゃ。こう言うことは、た
   まにある。逆に、あの娘はあの娘の思い出したくないという気持ちのほうが強いの
   じゃ。じゃからわしが術を解いても思い出せない。
すみれ だから、それはちがうってば!真未がエリナを嫌いだなんてそんな事!
謎   嫌い、とはいっておらん。思い出したくない、といったのじゃ。
すみれ どういうこと?
謎   それはわしからはいえん。あの娘の問題じゃからのう。
雄飛  知っているのか?
謎   わしはおまえ達がエリナを忘れなかった、だからきたんじゃ。おまえ達がエリナ
   を忘れないのなら、その身代わりを立てればよいと思ったのじゃ。ヒトは単純なも
   のじゃからの、おんなじ名前の存在がいればそれでよいと思ったのじゃ。
すみれ ばかにしないで!
謎   じゃが、おまえ達以外は皆わしをエリナだとおもっとった。
耕祐  衿菜は、衿菜はどこに言ったんだ?
謎   エリナ、か?
すみれ 今私達が一番知りたいのはそれよ。
雄飛  答えろ。
謎   エリナは…な、
3人  衿菜は?
謎   つれていってやってもよいぞ。エリナの元へ、な。
3人  まじ?
謎   本当のことを知る勇気と私と一緒にくる度胸があれば、くるがよいじゃ。
すみれ 私は行くわ!
雄飛  …俺たちにとって嫌なことでもあるのか…?
謎   勇気があれば、といっておろうが。きたくなければこんでいい。
すみれ 雄飛?衿菜を迎えに行こうよ。
雄飛  …
すみれ 雄飛!
雄飛  わかった。俺も行く。
謎   おまえはどうするじゃ?
耕祐  …いく。俺も行く!
     真未飛び出してくる
真未  だめ!耕祐行かないで!
耕祐  真未…?なんだよ。どうしたんだよ。
真未  え…あ、どうしたんだろう私…
耕祐  なんだよ。とって食われるわけじゃないんだろ?
謎   (固まる)
雄飛  食われるのか・・?
謎   冗談じゃ。
すみれ ほんとかな…?
耕祐  よし!おまえも一緒に行こう!な。
真未  え?ちょっとまって、
耕祐  よし決まり!
雄飛  ばあさん、行ってくれ。
真未  私…やだ!
謎   レッツラゴ〜!
     謎の神以外の四人ぱったりと倒れる
     なんか謎の音とともに謎の神にスポット、同時に暗くなる
謎   お〜ついたついた。ほれ、起きろ。
雄飛  ここ…は?
謎   神界じゃ。
すみれ しんかい…?
耕祐  海の中か!?なんで息できんの?
謎   あほか。神の世界とかいてしんかいじゃ。神々の住む世界、とでも言っておこう
   かいの。
雄飛  かみぃ?
すみれ そんなものいるわけないでしょ?
謎   わしが人間だと思うかね?
雄飛  いや…それは…
謎   なら、わしを信じろ。疑うならばそれでもよい、しかしエリナには合えぬのう。
すみれ わかったわ。信じる。
耕祐  でも…なんで、そんな所に…
謎   おまえ達がエリナに会いたいといったのじゃろうが。
雄飛  衿菜に…?じゃあ、衿菜は、神だっていうのか?
謎   ほぅら、あそこに、
     その方向にエリナとママ。
3人  衿菜!
真未  あ…え、衿菜…?
すみれ 思い出したの?真未。
ママ  この子達ね、エリナ。
エリナ ええ、お母様。
すみれ 衿菜…お母様…って?
ママ  …ヒトがここにくることなんてめったにないことなのだけれど、エリナがどうし
   てもって言うものだから。
雄飛  あのぉ…
ママ  あなた達は深くかかわりすぎてしまったのよ。
雄飛  深くかかわる…?一体なんの話ですか?
ママ  エリナはあなた達人間の監視役だったの。
すみれ 監視?
耕祐  …監視役だって?一体なんのために?
ママ  ヒトが私達を越えた力をもたないように、神の聖域を侵さないように。
雄飛  …話が、よく飲み込めない…つまり…あなた達は、エリナは神で…俺達人間を見
   張るために来た…と?
ママ  そう。何万年も前の話、創生神があなた達ヒトとそして人間界を作ったの。でも、   
   人が増えるにつれてここからではすべてのヒト、人間界のすべてが監視できないほ
   ど大きなものになってしまった。だから、まずは私達は監視をするために監視所を 
   創ったのよ。
すみれ 監視所?
耕祐  そんな物が俺達の世界に?
衿菜  エジプトのピラミッド、イギリスのストーンヘンジ。ヒトが古代遺跡と呼んでい
   るものは…全部…
ママ  そしてヒトの外側だけではなく内側をも監視できるように人間界へ監視役も派遣
   した。あなた達ヒトが何を考え、何を思って暮らしているのか。
謎   それもすべて、ヒトが神を越えることがないように。
耕祐  もし、超えてしまったら?
ママ  そこでその世界は終わりよ。
謎   エリナはそのために人間界にいたのじゃ。じゃが…
すみれ なによ。
謎   おまえ達はエリナに深くかかわりすぎた。エリナはヒトと親しくなりすぎてしま
   った。じゃからもう、監視役は出来んようになったのじゃ。
すみれ どうして?
ママ  偏った監視しか出来なくなるわ。だから一刻も早くエリナを人間界から消去する
   必要があったの。
すみれ そんな!じゃあ、衿菜はもう、私達と一緒にはいられないって言うの!
ママ  そう言う事になるかしらね。
耕祐  じゃあ、ずっとここにいるのか?神として?
雄飛  それで、いいのか?
エリナ 仕方ないじゃない。いいのよ。
耕祐  衿菜…
雄飛  おまえ前にいってただろう、幸せに、楽しく生きていたいって!おまえ、それで
   楽しいのか?幸せか?
ママ  もうあなた達の所にいた衿菜はいないのよ。もういいでしょうエリナ。これ以上
   話してもなんにもならないわ。
雄飛  それとも、おまえがいってたことは全部うそだったのか?俺達をだます、うそだ
   ったのか?
エリナ え…?うそ?(決意)…そうよ。皆、皆うそだったわ!
すみれ 衿菜!
エリナ 私は皆をだましてた。私はあなた達を監視するために一緒にいただけ。
耕祐  そんな…
エリナ どう?もう私なんか覚えていたくも思い出したくもなくなったでしょ?だったら
   もうかえって。
すみれ そんなことない!私達は忘れなかった、思い出したよ、エリナのこと。誰も嫌い
   だなんて、思ってない、忘れたいなんて思ってない!
真未  …思ったよ。
すみれ え?
真未  私…忘れたいと思った。衿菜のこと。
すみれ 真未!
真未  私には、どう考えても勝ち目なんかないと思ってた。忘れられたらどんなにいい
   だろうって…衿菜がいなくなったらって…
耕祐  真未、なんでだよ。
真未  耕祐が衿菜のことばっかりきにしてるから!
耕祐  ぅへっ?な、なにいってんだよ。
真未  衿菜がうらやましかった。私も、衿菜みたいになれたらって…そうしたら…私も…すみれ わかったわよ、真未。もういいから。
雄飛  え、ちょ、ちょっと待てよ。
耕祐  なに?どういうこと。
すみれ わからないの?馬鹿。
雄飛  は?
耕祐  へぇ?
真未  恥ずかしいなぁ、私…どうしてそんな事考えたんだろう…私は私、衿菜は衿菜、
   この世で一人しかいないのにね。ごめんね、いなくなっちゃえばいいなんて…
すみれ 真未だけじゃないよ…
真未  え?
すみれ 私も、そう思ったことがあった。衿菜みたいになりたい、うらやましいなって。
エリナ すみれ…?
すみれ 衿菜みたいな女の子だったらあの子も好きになってくれるのかなって…
雄飛  あの子…?
耕祐  誰…?
真未  やっぱり馬鹿ね。あんたたち。
2人  へぇ?
すみれ でもその内気がついたの。私にとっては、彼も衿菜もすごく大切な存在なんだっ
   て。だから、きっと私も誰かにとって大切な存在になれるんだって、そう思った。
   そしたら、自然にそんな事、思わなくなった。だから真未、恥ずかしくなんかない、
   だって、そう思うって事は、衿菜のこと認めてるからでしょ?大切に、思ってるか
   らだもん。エリナ わたしは、すみれがうらやましかったわ。だって、雄飛君とす
   ごく仲がよくて、
雄飛  え…?
エリナ 皆ありがとう…
耕祐  俺も皆大切だよ。
エリナ 耕祐君…
耕祐  これ、誕生日プレゼント。真未と二人で買ったんだ。衿菜にあげようと思って。
エリナ え…?
耕祐  おまえに、あげたいんだ。
雄飛  例えおまえが人間じゃなくても、俺達が出会ったのはおまえだった。
真未  人間でも、神でもなく、エリナだった。
すみれ 私達はいつも衿菜と一緒だから、もう会えないとしても、絶対に忘れないから。
エリナ 皆…
ママ  もういいかしら?
エリナ みんなありがとう、ごめんなさい!
耕祐  なにあやまってるんだよ!
真未  謝らなくったっていいわ。笑ってよ。
すみれ 私達はエリナが好き、大好き!監視役で私達の所へ来たことなら気にしないで。
雄飛  そのおかげで、俺達はエリナに会えた。俺達は、楽しかったんだからさ。
     他の三人うなずく
エリナ …私も!私も楽しかったよ!
雄飛  また、会おうな。
エリナ …うん。
謎   それじゃあ、おまえさん達、行くじゃよ。
すみれ じゃあね!衿菜!
謎   そぉれ〜!
     スポット消える
エリナ お母様、お願いがあります。
ママ  なんです?
エリナ わたしを、人間界へ。
ママ  あなたわかっているの?もう監視役としては人間界には行けないのよ?
エリナ わかって、います。
ママ  ヒトとして、いきることを望むの?生まれ変われる保証はない、それでも?
エリナ はい。
ママ  今までの記憶はすべて、彼らの記憶もなくなるのよ?それでも?
エリナ 大丈夫です。私はもう、一人ではありませんから。
ママ  エリナ…
     暗転
     倒れている四人
雄飛  う…う〜ん…ハッ!おい!大丈夫か皆!
耕祐  う…あ?おお!ここどこ?
雄飛  学校の…屋上みたいだけど…
耕祐  何所に飛ばしてんだよあのばあさん!
すみれ あ、あれ?
真未  う〜ん…
雄飛  皆、無事みたいだな。
すみれ 当たり前じゃない、あんなばあさんのせいで死んだりなんかしたくないわよ。
真未  そうよねぇ。
耕祐  なぁ、俺達はず〜っと5人だよな。
真未  うん。もちろん。
雄飛  俺、一生忘れないよ、今日のこと。
すみれ 忘れないわ。絶対に。
耕・真 (うなずく)
雄飛  帰ろうか。
     四人、去る
     四人話をしながら歩いている
耕祐  でもなんか、こうしてると全部夢だったんじゃないかって、思えてくるよな。
真未  そんなことないわよ。耕祐って薄情ね。
耕祐  なんでだよ!
真未  ば〜か!(頭をはたいて逃げる)
耕祐  おい!ちょっとまてよ!(追って去る)
雄飛  あ、おい!ちょっとまてよ!
すみれ …ねえ、雄飛ってさぁ…
雄飛  ん?
すみれ ううん、なんでもない!
雄飛  ?
すみれ …ねえ…また会えるかな?
雄飛  さぁね。
すみれ 真未ー耕祐ー!待ってよ〜!!(去る)
     雄飛の横を乳母車を引いた女の人がとおる
     赤ん坊泣き出す
女   あら、どうしたの?よしよし、大丈夫よ、エリナ。
     雄飛、一瞬立ち止まる。
     そしてまたゆっくりと歩き出す。
     女と赤ちゃんを背に。
                        終わり

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